みなさんこんにちは、かり~です。
突然ですが、雪の結晶と聞いて思いつくのは、どのような形でしょうか。
おそらく、下の写真のような形ではないでしょうか。
雪の結晶としてよく知られているこの形。実は、ある条件でしか見られないんです!
雪の結晶には、雲が作られる上空の気温や、周りの水蒸気量が大きく関わっています。
雪の結晶の作られかた
結晶の形のカギとなるのは、気温と水蒸気!
雲の中にある小さな氷の粒が、周りの水蒸気を取り込んで成長し、溶けずに地上まで降ってくると「雪」、少し溶けると「みぞれ」、完全に溶けると「雨」になります。
Word「氷晶」
小さな氷の粒を「氷晶」というよ。雲は、氷晶や水滴が集まってできているんだ。氷晶は、土に含まれる粘土物質が核となり凍ることでつくられるよ。
氷晶は基本的に六角形で、小さな柱のような形をしています。
結晶の形は、上空の気温と水蒸気の量によって変化します。
- 上空の気温で、縦に成長するか横に成長するかが決まる!
- まわりの水蒸気の量で結晶の大きさが変わる!
上空の気温が-4℃~0℃、ー20℃~-10℃のとき、結晶は横に成長し、板状の形になります。
成長すると1cm以上の大きさになることも。
上空の気温が-10℃~-4℃、または-20℃以下のとき、結晶は縦に成長し、柱状の形になります。
柱状の結晶には、針やコップのような形をしたものもあります。
そして、氷晶がとりこむ水蒸気量が多くなると、結晶の形が大きく複雑になります。
雪の結晶と聞いて連想される、花のような六角形をした結晶は、上空の気温がー20℃~-10℃のときにできた板状の結晶が多くの水蒸気を取り込んでできたもの。
実はとても限られた条件でしかできない形です。
雪の結晶は対称的で綺麗な六角形のイメージがあったのですが…
上の画像のような非対称的な結晶がつくられることもあるみたいです!
雪・あられ・ひょうの違い
雪は六角形、あられ・ひょうは球形
雪は基本的に六角形ですが、あられ・ひょうは丸い形(球形)をしています。
あられ・ひょうは、小さな氷の塊である氷晶に、非常に冷たい水滴がくっついて凍ることでつくられます。
Word「過冷却水滴」
気温が0℃未満になっても凍らない、冷たい水滴のことを「過冷却水滴」というよ!
直径が5mm以上のものが「ひょう」、5mm未満のものが「あられ」と呼ばれています。
また、雪はたいてい冬に降りますが、あられ・ひょうは夏の急な雨のときに降ることが多いです。
雪の結晶の形を観察してみたい
雪の結晶はスマホを使って観察しよう
雪の結晶は小さく、溶けてしまうので肉眼で観察するのは難しいですが、スマホで撮影すればじっくり観察できます。
黒いハンカチや紙などを背景にして、スマホ用のマクロレンズを使って撮影するのがオススメ。
硬貨を並べて撮ると、写真でも結晶の大きさがイメージできます。
気象庁気象研究所では、研究に使える関東地方の雪の結晶の写真を募集しているようです。
撮影・投稿の規定など、詳しい情報は気象庁気象研究所のWebサイトで見られるので、興味のある方はチェックしてみてください。
「中谷宇吉郎 雪の科学館」で雪の結晶を観察できる
雪の結晶を観察してみたいけれど…
「今は夏だから無理!」
「正直、寒いときに外に出るのは嫌です」
「家の近くでは雪があまり降らないよ」
なんて声が聞こえてきそうです。
実際、私の住む地域でもあまり雪が降らないので、生で観察するのはなかなか難しいです…。
ということで行ってみたいのが、石川県にある「中谷宇吉郎 雪の科学館」!
「中谷宇吉郎 雪の科学館」では、雪の結晶の大きな写真を見たり、実験観察を体験したりできるそうです!
写真だけでなく、実験の観察ができるのは面白そうですよね。
雪の結晶の研究をされてきた中谷宇吉郎さんの生涯もわかります。
なかなか雪の観察ができない方、雪の結晶をもっと知りたい方は、ぜひ行ってみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、雪の結晶の形について解説しました。
- 上空の気温が-4℃~0℃、ー20℃~-10℃のとき、結晶は板状になる
- 上空の気温が-10℃~-4℃、または-20℃以下のとき、結晶は柱状になる
- 雪は六角形、あられ・ひょうは球形
観察方法なども紹介しているので、ぜひ色々な雪の結晶の形を観察してみてください!
こちらの記事について、ミスや誤りなどがございましたら、お手数ですが「お問い合わせフォーム」より
・誤りのある箇所
・該当箇所についての正しい解説
・参考にした文献・サイトなど
をご報告いただけると助かります。
参考文献
この記事を作るにあたって、以下の本やサイトで勉強しました。
雪の結晶や気象についてもっと詳しく知りたい方には、こちらの本やサイトをオススメします!
- 油川英明(2021)「雪の結晶の非対称的な形態について」公益社団法人日本雪氷学会『北海道の雪氷 No.40』https://www.seppyo.org/hokkaido/journal/j40/8_2021_snowhokkaido40_Aburakawa.pdf
- 気象研究所「#関東雪結晶プロジェクト」
https://www.mri-jma.go.jp/Dep/typ/araki/snowcrystals.html - 佐藤公俊(2022)「身近な天気から異常気象まで なるほど天気と気象」学研プラス
- 富山県「雪の結晶」
https://www.pref.toyama.jp/1711/kurashi/seikatsu/seikatsueisei/yuki/course/course_crystal.html - 「中谷宇吉郎 雪の科学館」https://yukinokagakukan.kagashi-ss.com/
- ニュートンプレス(2021)「ゼロからわかる天気と気象 超図解 天気の知識をまとめた保存版!」
コメント