世界遺産検定の勉強をしていると、一度は「集中式」という単語に出会うと思います。
という方も多いのではないでしょうか。
この記事では
- 集中式の建物の特徴
- バシリカ式との違い
- 集中式が用いられている世界遺産の一例
について解説します。
集中式は建物の間取りの一種
間取り図(平面プラン)とは、建物や部屋を真上から見たときの設計図のことです。
マンションや一軒家に間取り図があるように、教会にも設計図があります。
家の間取りは生活をすることを前提に、水回りや部屋が配置されていると思います。
一方、宗教建築は神聖な儀式を行うための場所。
祭壇のまわりに人々(信者)が集まる場面を想定したのが、集中式の間取りです。
集中式は洗礼堂や殉職者記念堂、教会といった宗教建築に用いられました。
- 集中式プラン:集中式が用いられた間取り
- 集中式建築:集中式で建てられた建物
中心軸のある対称的な形が特徴
集中式の建築物は、部屋の中心から放射状に広がるような空間設計になっています。
間取りによく使われている形は、正多角形、円形、ギリシャ十字形の3種類。
中心に対して、線対称または点対称な図形が使われています。

正多角形のなかでは、八角形がよく用いられます。
8はイエス・キリストの復活を意味し、キリスト教にとって重要な数字だからです。
アーヘンの大聖堂は、建物の中心部は正八角形に、周歩廊(中心の部屋を囲む通路)は正十六角形になっています。
ドームや塔が多い
集中式の建物の中心には、ドーム型屋根がついていることが多いです。
ドーム屋根をつけることで、中心部分に高さが出て広い空間が生まれ、中心軸がより強調されます。
また、集中式建築のまわりにも、複数のドームや塔がよく建てられています。
イスタンブールのアヤ・ソフィア(ハギア・ソフィア)には、中心に大きなドームがあり、まわりに細長い塔や背の低いドームが並んでいます。

周囲の塔やドームは、非対称的に配置されることも!
集中式とバシリカ式
集中式とセットで覚えておきたいのが、バシリカ式です。
バシリカ式も西洋の教会に用いられていますが、その形や用途が異なっています。
- 集中式:信者になるときの洗礼や殉職者の追悼など、神聖な儀式を行うのに適している
- バシリカ式:たくさんの人が集まったり動き回ったりする集会や礼拝に向いている


エルサレムの聖墳墓教会など、集中式とバシリカ式の両方が用いられている建築物もあるよ!
集中式建築を含む世界遺産
イタリア
・サン・ジョバンニ洗礼堂 「フィレンツェの歴史地区」の構成資産
・サン・ヴィターレ聖堂 「ラヴェンナの初期キリスト教建造物群」の構成資産
・サン・マルコ寺院 「ヴェネツィアとその潟」の構成資産
・パンテオン 「ローマの歴史地区と教皇領、サン・パオロ・フォーリ・レ・ムーラ聖堂」の構成資産※イタリアとヴァティカンにまたがる世界遺産。パンテオンはイタリアにある。
ドイツ
・アーヘンの大聖堂
トルコ
・アヤ・ソフィア 「イスタンブールの歴史地区」の構成資産
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